ハーレーのエンジンをオーバーホールするには

グライド

一度ハーレーを手に入れると、長年愛着を持って同じマシンに乗り続ける熱心なユーザーが多いといいます。性能や安全性、快適性などを維持するには、一定の距離や年数に応じて、エンジンのオーバーホールを行わなければなりません。

オーバーホールを行う時期は、乗り方やメンテナンスの仕方、頻度によっても変わってきますが、エボリューションやツインカムの場合、走行距離50000キロ前後が目安となるようです。概ねこのくらいのタイミングでオイルもれやオイル下がりが発生するケースが多く、エンジンの分解修理によって元の状態に戻す必要が出てきます。

ハーレーのエンジンをオーバーホールする際の基本的な流れは以下の通りです。まず磨耗したり傷がついたピストンを交換します。併せてシリンダーにボーリングやホーニングを施してピストンの動作を復活させます。
次に本来のトルクを取り戻す作業として、バルブ周りのパーツの表面を整え、擦り合わせることで機密性の回復や圧縮漏れの解消を図ります。そしてシリンダーヘッドの中にこびり付いた燃料の燃えカスなどを掃除し、クランクシャフトを分解、洗浄し、さらにガスケットなどの消耗したパーツを新品に交換します。

エンジン内にオイルを供給するオイルポンプは人間に例えると心臓にあたる大切な部分です。オイルポンプの不良はエンジン焼きつきなどのトラブルにつながります。それを防ぐために損傷の点検やオイルラインの洗浄を行います。損傷の具合によってはオイルポンプの交換も必要です。そしてキャブレターやガソリンおよび空気の通路を洗浄し、トランスミッションの動作や異音、オイル漏れなどの点検を行い、不具合があれば部品を交換します。これでオーバーホールは完了です。